■「驚く」ことから人間関係は壊れる

では、次に何をどうすればいいのでしょうか。
次はとても大切なポイントですからよく覚えてください。
それは「何があっても驚かない」ということです。
私たちは人間関係を、驚いてしまうことで壊しているのです。

たとえば「自分の子どもはすばらしい」とひどい勘違いをしている
お母さんがいるとします。
その子どもが万引きをして捕まったらどうなるでしょうか。

その母親は決してその事実を認めたくないのです。
すごく驚いて、
「まさか、我が子に限って・・・・、そんなことは絶対にありません」
などと信じられないようなことを言うのです。
よくもきちんとした大人の女性が、それほど醜いこと、
聞き苦しいことを言うものだと思います。


母親は、わが子のことになると、それほどまでに頭が悪いイヤな存在なってしまうのです。

また、自分のダンナさんが浮気をしたと思ったら、すごく驚いて
ショックを受けて、ヒステリーを起したりしますね。
浮気ぐらいでなぜそんなにまで驚くのでしょうか。

それは、
「人間にはどんなことでも起こり得るんだ」

という論理が分かっていないからなのです。

人間は自分個人の、個の幸せを追いかけて生きているのです。
ですからいくら結婚をしていても、男性がどこかで誰かを
好きになってしまうことは十分あり得ることなのです。

向こうから誘惑されることもあるかも知れません。

いくら「絶対に浮気などしない」と約束していたとしても、
そんなことは全然当てにならないのですよ。


自分の心はどうなるものか本人にも分からないのです。
自分にとって利益があると思ったら、すぐに人の心は変化してしまうのです。


ですから人と付き合うときは、
「何があっても驚きません」という気持ちでいれば、
とてもうまくいくのです。

ちょっと注意深く社会を見ていれば、どんなことでも起こり得るという
ことは簡単に理解できるとおもいます。

次から次へと信じられないような事件が起こるでしょう。

画像

官僚は汚職はするわ、政治家は人をだますわ、
宗教家が人を殺すわ、

若者が、主婦が、夫が平気で人を殺すなど、
イヤなこと悲惨な事件が次から次へ起こっていきます。

それで毎日みんな驚きっぱなしで、
「ああ驚いた、ああ驚いた」
と言っている。それなのにまた次の人を信頼してしまう。
そして、「またこの人も信じられないことをした」と言ってまた驚いている。


「この人こそ大丈夫だ」
などということは、この世の中にはないのです。

よくないことに、がっかりするのです。
それをやめてください。
何があったも驚かない。
それは人とつき合うためには最良の手段なのです。

何があっても冷静に、

「ああ、そうですか」と受け取ること。

一番悪い例で考えてみましょう。
自分の子どもが犯罪を犯してしまったとします。

それを聞いたとたんにもう何も出来なくなってしまうのではないでしょうか。

あまりのショックで自分まで死にたくなってしまったりします。
これはどういうことでしょうか。

これは、あまりにも驚きすぎてわけが分からなくなってしまっているのです。

それで大変いい子であったかもしれません。
何一つ悪いことをしたことはなかったかもしれませんが、
どこかで犯罪を犯してしまった。

そのとき私たちはどういう態度をとればいいのでしょうか。


そういうときこそ、冷静になって驚かなければいいのです。
驚かないで子どもに、

「いったいどういうことかな」

と落ち着いて聞けば、子どももいろいろと話をしてくれるでしょう。

それから、「それだったらこうすればいいのではないか」

と話し合って、知恵が生まれてくるのです。

普通の場合は、犯罪を犯した子どもは警察に捕まっても、母親の面会を嫌がります。

母親と顔を合わせたくないですね。

なぜならば、ヒステリー状態で、
「こんなことをする子に育てた覚えはない」
などと泣きわめかれるばかりなので、会いたくないのです。

それでは子どもは何も話をすることが出来なくなってしまいます。
母親が驚かないで冷静にしているならば、子どもも冷静に自分のことを
話すことができて心が通じあいます。

そして対策方法も話し合えます。
それによって両者どちらにとってもいい結果が出てくるのです。

・・・・   ・・・・・    ・・・・・     ・・・・・


もし驚かなければ、いろいろと話し合って、理解して、お互いにいい結果になるのです。

そういうことで、人づき合いにおいては、このことひとつでうまくいくのです。


どんなことでも起こり得るのだから、何があっても驚かないこと。

たとえば自分の子どもが包丁でけがをしたら母親はどうしますか。
すごく驚いて、「何をしているのですか!危ない!」とヒステリックに怒る。


ダンナさんが見ていたら、「おまえが包丁を置いておくのが悪い!」とまた怒る。

お医者さんに連れていったら、「何で子どもに包丁をさわらせるのですか!」
とまた怒る。


もうひどい騒ぎなのです。

みんな間違っているのです。


べつに驚かないで、

「子どもは包丁は持たないんだよ」と教えてあげればいいのです。

けがをしたらそれなりに治療をしてあげて、「包丁は危ないよ、痛いでしょう。
これから気をつけましょう」と言うだけでいいのです。


あるいはどうせ子どもは大きくなるのだから、
「包丁はこういうふうに握るんだよ」と言って、
子どもに自分ができないくらいきつく握らせたら、

子どもは、
「やっぱりこの遊びはやめよう」と自発的にやめるのです。


そういうふうに驚かないでものごとに対処すれば、
おもしろく明るく生きていられるのです。



親子関係だけでなく、社会のなかでもどこでも、
何が起こっても驚かないで、落ち着いてものごとを見ていると、
うまく人間関係をつくることが出来ます。


要は子どもであれ、他人であれ自分にかかわっている人間が、
いまどういう問題をもたらしているかを冷静に観察することが大切です。


<P49~P56>


「人に愛されるひと 敬遠されるひと」A・スマナサーラ長老

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