★「殺してしまえ」はナンセンス

★狭い見方では頭が悪くなる
私たち人間は、いつでもすべての生命をいっしょに見なくては、
頭のいい人間にはなれません。
人間だけとか、日本人だけとか、
狭く考えてしまうと真理が見えなくなります。


熊もライオンもサルも犬も猫も、鳥も魚も昆虫もミミズもアメーバも
すべてひっくるめて、生命として見てみるのです。

そうすると、ミミズやアメーバさえも周りとの関係を持っている。
鳥たちは種類ごとにそれぞれ周りとの関係を持っているし、

巨大な海の中では、そこにすむ魚たちは種類ごとに自分たちの
群れを作って、それぞれの関係を作って生きている。


生き物同士、危険な関係のところにはわざわざ行きません。
お互いに放っておいて、棲み分けているのです。



★「殺してしまえ」はナンセンス

このように生命の関係には2種類あります。

第一には、命を支えてくれる関係です。
この関係のなかでは、お互い助け合ってうまくいくように気をつけるのです。

第二には、自分が食べられてしまうような環境からは離れていることです。

たとえば、危険な生き物は殺してしまえ、
という発想はダメ。

生命は基本的にお互いの生命を支え合っているのだから、
人間にはそんな権利はないのです。


熊は私を殺して食べるかもしれません。
熊には熊の「生命との関係」があるのだから、それに人間が当てはまらないからといって
殺すべきではない。


私たちに必要なのは、熊と関係を持たないでいるという態度です。


「毒蛇は人間を噛むんだから殺すべきだ」というのは、
生命との関係を知らない人が唱えた恐ろしい思考です。

私たちにとっては危険な関係であっても、生の関係においては、

きちんと別のつながりがあります。

それは危険な関係を放っておくこと。
「関係ないという関係」を持つことです。

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★自然のおかげでなんとか生きている

現代人はただ生き物との関係を壊してしまえばいいと思っています。
ですが、そうやって特定の生き物との関係を壊すと、私たち以外の
他者同士の関係も全部壊れてしまいます。

・・・・・・   ・・・・・

私たちがなんとかまだ無事に生きているということは
自然の摂理というバランスがちゃんと働いているおかげなのです。

ですから、人間が病気になるからといって、
あるウイルスを全滅させてやるぞ、なんてことは決して考えてはいけません。

お医者さんがそう考えているから、院内感染とか、薬が何も効かない
耐性病原菌とかが現れてくるのです。

そうなってくると、病院に行って治療をしたら、
もっと酷い病原菌を移されて帰ってきた、ということになってしまうかもしれない。

自分の身体にウイルスがあったら、
身体の免疫機能がウイルスを退治して自分を生かすし、
身体の力で勝てなかったら

医者にお願いして、注射でウイルスを処分してもらうのであって、
地球上からそのウイルスを完全に消してやるぞと思うことはよくないのです。

そうなってくると、どこで生命との関係がこじれてしまうかわからない。

ですから、生きることは生命との深い関係であるということが、
まず私たちが必ず知っておかなければいけないことです。

<P39~P43>

「ブッダの幸福論」A・スマナサーラ長老著書より